【芸能】有村架純が30歳に 仕事に生きた20代 「自分の幸せもそろそろ考えてもいいのかな」

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 2010年に女優デビューして以来、『映画 ビリギャル』や連続テレビ小説ひよっこ』(NHK)、『前科者』など誠実な歩みを続けながら、あらゆる作品で人々の心を動かしてきた有村架純。安田弘之の同名漫画を映像化したNetflix映画『ちひろさん』では、主人公の軽やかさと鋭さを体現してさらなる新境地を開いている。今年2月には30歳という人生の節目を迎えた有村だが、「自分自身の幸せもそろそろ考えていいのかな」とにっこり。仕事に生きた20代振り返りながら、30代の展望を語った。

【写真】17歳でデビュー 今月30歳を迎えた有村架純 美しい撮り下ろしカット

難易度の高い役、ちひろさんへの挑戦

 風俗嬢の仕事を辞めて、今は海辺の小さな街にあるお弁当屋さんで働いている女性・ちひろ(有村)を主人公とした本作。誰に対しても分け隔てなく接するちひろの元には吸い寄せられるように人々が集まり、ちひろは時に優しく、時に強く、彼らの背中を押していく。

 常識にとらわれず、心のままに生き、どんな人も否定しないちひろは、悩みや生きづらさを抱えている人にとって救いとなるような存在だ。有村は「一度話したら忘れられないような魅力があって、佇まいからも香りを感じるような、艶やかな雰囲気のある女性」と役柄を分析。「自分自身が生きてきたのとはまったく違う人生を歩んでいるし、そういった魅力を醸し出すのは、難易度が高いなと思いました」と演じる上では難役に感じたと話す。

 そこで支えとなったのは、今泉力哉監督の存在だ。「監督は、“明るすぎても、暗すぎてもいけない。ちひろさんってすごく難しい役ですよね”とおっしゃっていて。声を低くして、声色からも感情や温度がにじむようにできないかと考えたりして、監督と一緒に悩みながら、最後までやり遂げたような気がしています」と感謝しきり。

 難役ではあったものの、ちひろに共感や憧れを寄せた部分もたくさんあった様子で、有村は「ちひろさんのように人と適度な距離感を保っているほうが、今の自分にとっても心地良いものだと思っています」と、人に干渉しすぎないちひろの性質に安心感を覚えたという。

 「思い返してみると、私自身、たとえ友達だとしても、あまり踏み込みすぎず、適度な距離感を保っている気がしていて。そうすることによって、私生活ではあまり感情の振り幅を大きくせずにいられるというか。お仕事でたくさん刺激をもらっているぶん、私生活ではなるべく刺激のない穏やかな生活をしたくて…」と、ほほ笑みながら、「たとえば友達から悩み事を相談されたとして、感情移入してそちらに引っ張られすぎるより、適度な距離感で話を聞いたほうが、その友達も楽だったり、素直になれるかもしれないなと考えたりします」と人間関係を築く上での持論を語る。

■孤独を受け入れることで、見える景色がある

 ちひろは、孤独を受け入れ、謳歌(おうか)している。有村は、ちひろの孤独との向き合い方にも共鳴したそうで、とりわけ心に刺さったちひろセリフとして「みんなで食べるごはんもおいしいけど、ひとりで食べてもおいしいものはおいしい」という言葉をあげる。

 「“ひとりで食べてもおいしい”って、本当にそうですよね。“ひとり”とか“孤独”ってネガティブな印象がありますが、私は全然悪いことではないと思っていて」と切り出し、「むしろ孤独だからこそ、自分の大事にしたいものが見えることだってある。人間って、たとえ好きな人や友達、家族だったとしても、100%分かり合えることはできないものですよね。根本に“人間は孤独なものだ”という思いがあれば、“この人はどんなふうに考えているんだろう”と相手を慮(おもんぱか)ることもできるし、相手との距離感を楽しめることだってできる」と孤独を受け入れることで、幸せを見つけることもできるはずだという。

 さらに「学校に居場所がなくて、みんなとは別の場所でお弁当を食べている子がいたとして。その子にとってはとてもつらいことかもしれないけれど、その場所を救いの場所にして愛していくことで、見えてくることもあるかもしれない。そこで“ひとりで食べる時間もいいじゃん!”とちひろさんのように声を掛けてくれる人がいたら、悩みを抱えている人も救われますよね」とちひろにまぶしさを感じながら、「仕事を任されればひとりで重荷を背負う部分もあるし、どの職業においても孤独との戦いは付きものだと思います。私もちひろさんのように、孤独を愛せる女性になれるよう、30代も進んでいけたらいいなと思います」と輝くような笑顔を見せる。

■30代に足を踏み入れ「そろそろ自分自身の幸せを考えてもいいのかな」

 2月13日誕生日を迎え、30代へと足を踏み入れた有村。映画、ドラマ、舞台と出演作を重ね、『花束みたいな恋をした』では第45回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。今年は『どうする家康』でNHK大河ドラマ初出演を果たすなど、世代を代表する女優として成長を遂げてきた。

 20代に経験したことで“手放したくない、忘れたくない”と思うような出来事について聞いてみると、有村は「21歳の時にやった舞台『ジャンヌ・ダルク』での経験」と告白。「私は初舞台だったのですが、そんな私が総勢130名のキャストの方々の真ん中に立つことになって。130人のキャストの方を引っ張るなんて、21歳の器量ではとてもできないこと。“ここで自分にできることは何だろう?”と考えたときに、とにかく気持ちで示すしかない、自分にできることを精いっぱい、全力でやるしかないと思って。そうやって努めていたら、気付けばみんなが私を“ジャンヌ”と呼んで、付いてきてくれていました。やっぱり熱量さえあれば、その思いが届いて、周りの気持ちを動かすことだってできるんだと実感しました。それからは、ちゃんと胸に熱量を持つことを心掛けています」とかけがえのない瞬間を思い出す。

 心配性で、芝居についても「深く悩んだりすることが、3年周期でやってくる」と苦笑いを見せた有村。しかし30代を迎え、「いろいろな先輩方から“30代になると楽になるよ”と言われてきて、その意味が徐々に分かってきたような気がしています」と少しふっきれたところもあるのだとか。

 「20代はお仕事のために生きてきて、自分がお仕事を頑張れば、周囲のみんなも幸せになれるはずだと、その人たちのために頑張っているようなところがありました。ただここ2年くらいは、そろそろ自分自身の幸せについて考えてもいいのかな、自分が幸せだと思える選択ってどんなものだろうと思うようになってきました」と打ち明ける。

 では有村の考える“自分の幸せのかたち”とは? 

 すると「“周りの大人たちに迷惑をかけてもいいのかな?”と思うときもありましたが、やっぱり自分はそういうことができなくて。いろいろなことに筋を通さないと、自分も納得できないタイプなんですね。もちろん完璧な人間ではないし、抜けているところもあるし、忘れ物とかもしちゃうんですが」と、どうしても独りよがりにはなれない性格だと照れ笑いをのぞかせながら、「“あなたはどう思う?”という問いかけも忘れずに、いろいろな人と話して、みんなでディスカッションをしながら、気持ちのいいものづくりができたら幸せです。これからの30代、周囲のために頑張るだけではなく、自分の心が動いたものにトライするという気持ちも大切にしていきたいです」とすがすがしく宣言していた。(取材・文/成田おり枝 写真:上野留加)

 映画『ちひろさん』は2月23日よりNetflixにて世界配信&全国劇場にて公開。

有村架純  クランクイン! 写真:上野留加

(出典 news.nicovideo.jp)

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Source: 芸能野次馬ヤロウ

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