長寿番組相次ぎ終了、かまいたち躍進、早朝帯開発…民放キー局10月改編動向

番組の再編が起きている。

●『アタック25』『ぴったんこ』…長年の歴史に幕
民放キー5局の10月改編情報が10日、出そろった。長年続いた番組が相次いで終了する中で、かまいたちレギュラーMC番組が一気に3本スタートするなど、勢いを見せている。各局の改編説明会から、この10月改編の動向をまとめた。

○■“視聴者参加クイズ番組”がレギュラー消滅

前回の4月改編では、飲み屋をハシゴする『ダウンタウンなう』(フジテレビ)、夜に街ブラする『夜の巷を徘徊する』→『夜の巷を徘徊しない』(テレビ朝日)と、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、夜に行うロケ企画がメインの番組の終了が相次いだことがトピックになったが、今回もその余波が及んだ。

18年半の長きにわたって放送してきた『ぴったんこカン・カン』(TBS、金曜20:00~)は、「飲食店のロケが難しく、番組本来のパフォーマンスが出せなくなった」(瀬戸口克陽編成局長)として終了。また、4月から木曜25時台に移行し、国内ロケが続いていた『アナザースカイ』(日本テレビ)も、13年の歴史に幕を下ろす。

日テレでは他にも、2005年スタートの『おしゃれイズム』(日曜22:00~)、13年スタートの『幸せ!ボンビーガール』(火曜22:00~)、『有吉反省会』(土曜23:30~)、17年スタートの『ウチのガヤがすみません!』(火曜23:59~)と、長く続いてきた番組が相次いで終了。4月改編では『メレンゲの気持ち』(96年スタート)、『火曜サプライズ』(09年スタート)も終了している。

10月改編では『行列のできる法律相談所』(02年スタート、日曜21:00~)についても、「法律だけでなく旬の話題を幅広く扱う王道のエピソードトークバラエティを目指して、より内容のパワーアップをすべく」(田中宏史編成部長)として、タイトルを『行列のできる相談所』に変更。視聴率トップを走る中でも、タイムテーブルのブラッシュアップに余念がない。

長寿番組の終了と言えば、『パネルクイズ アタック25』(ABCテレビテレビ朝日系、日曜13:25~)が、46年という歴史に幕を下ろす。これに加え、『超逆境クイズバトル!!99人の壁』(フジテレビ、土曜19:00~)が特番コンテンツとなることで、テレビ史に脈々と続いてきた“視聴者参加クイズ番組”のレギュラー番組が姿を消すことになる。
○■指原莉乃有吉弘行も2番組スタート

この秋、大きく躍進するのが、お笑いコンビかまいたち日テレで『有吉反省会』『ウチのガヤがすみません!』の後番組としてそれぞれスタートする『千鳥かまいたちアワー』『超無敵クラス』でMCを担当。さらに、テレビ朝日『ウラ撮れちゃいました』(木曜19:00~)では、ついにゴールデンレギュラー番組で初MCを務めることになる。

かまいたちの冠バラエティ番組『かまいガチ』も放送するテレビ朝日の榊原誠志総合編成部長は「若者を中心に求心力があって、トークもいける、ロケもいけるというバランスの取れたコンビというところに魅力を感じております」とコメント。きょう10日放送の日本テレビ系『第41回全国高等学校クイズ選手権』にもメインパーソナリティーとして出演しており、テレビ界で今最も勢いのある芸人と言えそうだ。

4月に大型情報バラエティ番組『ゼロイチ』(日本テレビ、土曜10:30~)がスタートした指原莉乃は、『超無敵クラス』に加え、『100%!アピ~ルちゃん』(MBSTBS系、月曜22:00~)と2本の新番組がスタート

有吉弘行も、『有吉反省会』が終了する一方、テレ朝で『有吉クイズ』(月曜24:15~ ※一部地域除く)が、テレ東で『有吉の世界同時中継 ~今そっちどうなってますか?~』(木曜19:58~)が、それぞれレギュラー化する。

●土曜にお笑い、月曜にドラマ…フジ集中編成の狙い
各局ではリアルタイム視聴の促進へ“縦の流れ”を意識した編成を組んでいるが、今回の改編でその姿勢を顕著に示したのが、フジテレビだ。土曜日を、19時~『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』、20時~『新しいカギ』と枠移動し、21時からの単発枠『土曜プレミアム』もお笑いバラエティを増強させることで、「笑いの土曜日!」と銘打った。さらに、23時10分からは『さんまお笑い向上委員会』も控えており、週によっては4時間40分にわたってお笑い番組が編成されることになる。

フジの中村百合子編成部長は「学校で話題になる、そこから社会現象になっていくという形で、『これを見ないと話題についていけない』となるように成長して、『土曜日フジテレビはやっぱり面白いな』と思っていただきたい」と狙いを語る。

さらに、月曜22時カンテレ制作の連続ドラマ枠を移動し、看板枠“月9”から連ドラを連続編成。カンテレの島本元信東京編成部長は「週の始まりでもある月曜において、明日への活力にしていただけるような、月曜9時からのトータル2時間ドラマ編成という形になることを目指しております」と意気込んだ。“月10ドラマ”第1弾は、綾野剛主演の『アバランチ』を放送する。

なお、現在月曜22時で放送中の『所JAPAN』が火曜21時に移動することで、火曜日19時から23時(21~23時カンテレ制作)まで、バラエティ番組が4段積みとなり、こちらも“縦の流れ”を強く意識した編成となる。

○■『モヤさまスピンオフも…各局「早朝帯」を開発

テレビ東京は、07年にスタートしたバラエティ番組『モヤモヤさまぁ~ず2』を、日曜21時台から土曜23時台に移動・縮小。それに加え、土曜早朝帯にスピンオフ番組『あさモヤさまぁ~ず2』(5:30~)を立ち上げる。本編とは違う街を歩く内容で、伊藤隆行プロデューサーは「起きた時にあの空気感でやってるのは、もしかしたら面白いのでは。ちょうどいい時間というのはリアルタイム視聴では大事。制作者としてはけっこうワクワクすることではあります」と期待を示した。

こうした試みは、4月改編でTBSが『バナナマンのせっかくグルメ!!』(日曜20:00~)に加え、『バナナマン早起きせっかくグルメ!!』(日曜6:00~)をスタートした例もあるが、テレ東では以前から『家、ついて行ってイイですか?』(水曜21:00~)のスピンオフ『家、ついて行ってイイですか?(明け方)』(月曜27:55~)を編成している。

また、テレ東では『ハイパーハードボイルドグルメリポート』で知られる上出遼平氏が手がけるミニ番組「蓋」を、9月7日から14日まで早朝帯で断続的に放送中。“停波帯”と呼ばれる時間帯において、上出氏がHIPHOPグループDos Monosとタッグを組んだ取り組みで、同局は「これまであまり注目されてこなかったド深夜と言いますか、早朝と言いますか…テレビ放送の日付の切り替わる時間帯に、これまであまりやったことのない“コンテンツ”を放送することになりました。一種の“上出ワールド”を期待しています」とコメントしている。

ほかにも、MBSでは6月から土曜早朝帯にミニ枠でループアニメ『よるわまわるよ』を放送し、現在第2弾を準備中。スポットライトを浴びることなく実験的な“遊び”ができ、SNSも動かない「早朝」という時間帯でのこうした取り組みは、録画視聴が増える中で、テレビをつけてふと出会うコンテンツの魅力を認知する役割も果たすと言える。今後、他局を含めて注目したい流れだ。

●「テレ東コア」“濃いファン”の拡大を目指す
従来、世帯視聴率一辺倒だった番組の評価軸が、各局で新たに重点指標を設けて変化していることが、ダウンタウン松本人志の「コア視聴率」に言及するツイートをきっかけに広く周知された。日本テレビは「コアターゲット」(13~49歳)、TBSは「新ファミリーコア」(4~49歳)、フジテレビは「キー特性」(13~49歳)、テレビ朝日は「ファミリーターゲット」(13~59歳)を設定している中、今回の改編でテレビ東京が新たに「テレ東コア」を掲げることを発表した。

これは、他局のように性別や年齢層で区切って視聴率の数値を出すものではなく、「テレ東が大好きであらゆる番組を毎週欠かさず見てくださるテレ東ファンの方々、テレ東マニア」と定義するもの。大庭竹修編成部長は「今まで週に5時間見てた人に10時間見てもらえるような、どんどんファンを深くしていくことをやって視聴率につなげていければ。濃いファンを増やすことが一番いいのではないか」と狙いを語った。

各局の改編キーワードと改編率は、以下の通り。

日本テレビOFFからONへ、ONからFANへ」
テレビを見ない人、見なくなってしまった人にもまずはテレビをつけて視聴してもらえるような、視聴している人には愛好して継続視聴してもらえるような、積極視聴コンテンツを編成。
・全日(6~24時)5.6%、ゴールデン(19~22時)5.7%、プライム(19~23時)18.6% ※9月2日現在

テレビ朝日ファミリー層を中心に全年齢層に対応したタイムテーブルを目指す!!」
→中心は大越健介キャスターを迎えた“新生・報道ステーション”。圧倒的な取材力をベースにより深い視点・洞察を持った番組へと進化。週末の『サタデーステーション』『サンデーステーション』も合わせたプライム帯のニュースベルトで、あらゆる年齢層の視聴者にその日、最も必要なニュースを届ける
・全日8.8%、ゴールデン22.8%、プライム20.4% ※9月10日現在

TBS「最高の“時”を朝から」
安住紳一郎アナ総合司会の朝番組『THE TIME,』がスタート。朝からTBSを見る習慣をつけてもらい、全日帯視聴率の底上げにつなげる。
・全日12.88%、ゴールデン8.57%、プライム10.36% ※7月16日現在

テレビ東京テレビでもスマホでも“観ればハマる”テレ東式」
→「全配信時代」を見据え、放送でも配信でも内容の濃い「強い企画」「選んで観たくなるコンテンツ」を開発。様々なデバイスで、様々な機会で「観てもらえればファンになってもらえる」ような番組編成を行っていきたいという思い。
・全日5.2%、ゴールデン8.7%、プライム8.3% ※9月7日現在

フジテレビ「家族そろってフジテレビ ~DEEPテレビ体験を!~」
→1人でも多くの視聴者に「熱狂的な番組コンテンツで日本中の心を揺り動かす!」ことを目指す。
・全日5.7%、ゴールデン23.3%、プライム24.3% ※9月6日現在
(中島優)

画像提供:マイナビニュース

(出典 news.nicovideo.jp)

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Source: 芸能野次馬ヤロウ

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