「相席食堂」は、芸能人の行き当たりばったりのロケVTRに、千鳥が“ちょっと待てい!”ボタンを押してVTRを止め、内容に対してツッコむというバラエティ番組だ。
18年1月にパイロット版が放送され、それが好評だったため、同年4月から25分の日曜深夜枠でレギュラー化された。お笑い番組と思ったらさにあらず。19年1月6日放送の、“有名人が生まれ故郷に凱旋SP”では、村上ショージが愛媛県今治市に帰省し墓参りしたVTRを見て、大悟が涙。その回は、19年1月度のギャラクシー賞月間賞を受賞するというオマケもついた。
19年4月からは1時間枠に拡大され、「探偵! ナイトスクープ」などが放送される“ナイトinナイト”枠(23:17~00:17)の火曜日に移動した。
そして今回、2時間特番でゴールデンの全国ネットと、トントン拍子の大出世を果たしたわけである。
もっとも千鳥の2人は、最初から「相席食堂」の全国ネット・ゴールデン進出に消極的だった。
1月19日の番組で全国ネット&ゴールデンが告知されると、ノブはTwitterにこう呟いた。
〈相席食堂ゴールデン。2月 さんま御殿の裏。誰が観るん!?〉
大先輩のウラという気遣いもあったのだろう。だが、その気持ちは、全国ネットの本番が始まってからも変わらなかった。
<中略>
――目も当てられないようなVTRを、千鳥のツッコミで楽しむのが番組のコンセプトではあるけれど……今回のVTRは酷すぎた。かくして初の全国・ゴールデンは6・9%に終わった。
一体、何がいけなかったのか。民放プロデューサーが言う。
「ABC朝日放送のスタッフとしては、いまや正月や改編期恒例の『芸能人格付けチェック』(テレビ朝日系/朝日放送)の夢よもう一度という気分だったのでしょう。『格付け』は、もともとABC制作の『人気者でいこう!』の1コーナーに過ぎませんでしたが、スペシャル番組として20%超の人気番組にまで育った。だからといって、『相席食堂』とは違います。『人気者でいこう!』は最初から東京でも放送されていましたし、大阪枠といえどもゴールデン枠でした。最初から全国視聴者向けの番組だったのです」
同様にゴールデン枠で大阪制作の番組といえば、「秘密のケンミンSHOW極」(日本テレビ系/読売テレビ)、「ダウンタウンDX」(同)、「プレバト!!」(TBS系/毎日放送)、「ポツンと一軒家」(テレ朝系/朝日放送)などがある。
「いずれも東京のスタジオで撮っており、視聴者は大阪制作の番組とは思わないでしょうね。ただし、今回の『相席食堂』のような失敗例は、昔もありました。同じABCの深夜枠『探偵! ナイトスクープ』です。関西では88年に放送が始まり、視聴率は30%を超えることもあったお化け番組です。20年を経た09年3月に『探偵! ナイトスクープ ザ・ゴールデン』として、テレビ朝日系列の全国ネット・ゴールデンで放送されましたが、関東では5・3%しか取れませんでした。『相席食堂』と『ナイトスクープ』は大阪収録です。やはりローカルの番組をそのまま東京のゴールデンに持ってきても難しいのです」
千鳥の言うように、“普段通り”にはいかないということなのか。
「それもあるでしょうし、ローカルだからこそ、放送コードも緩く、タレントも好き勝手に喋れると言われています。それもあって、レギュラーが軒並み20%超えだったやしきたかじんさんは、“東京へのネットは許さん”と言い続けていた。島田紳助さんも『クイズ紳助くん』(朝日放送)というお化け番組を持ちながら、東京へネットすることはありませんでした。明石家さんまさんも昨年、30周年を迎えた『痛快! 明石家電視台』(毎日放送)がありながら、東京で流そうとしないのは、ローカルだからこその良さをわきませているからだと思います」
果たして、「相席食堂」がゴールデンに帰ってくることはあるだろうか。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1c4f5725563a333801bb96bd02ebdce7b29a032a?page=2
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Source: 芸能トピ++