事故物件サイト管理人・大島てる、不動産業界に広まる“都市伝説”を解説

ラジオで解説

TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。3月15 日(月)のお客様は、手相占い、怪談で有名な島田秀平さんと事故物件サイト「大島てる」代表の大島てるさん。ここでは、不動産業界で広まる都市伝説について触れていきます。
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(左から)島田秀平さん、大島てるさん

大島てる、不動産業界に広まる都市伝説を解説…

てる:事件・事故のあとに住む1番目の人にだけは、正直に事件・事故のことを言わなければいけないけど、2人目からは言わなくてもいいというのが、都市伝説のように広まっているわけですよ。

島田:あれは本当なんですか? 告知義務……いわゆる事件がありました、1回挟んだら、その次に住む人には言わなくてもいいっていう話が、まことしやかに回っているでしょ。

てる:本当にまことしやかには言われていますが、実際のところは、いつもそうだと言えるものではなくて。

例えば、事故がありました、空室になりました、1人目の人が入居しました。でも、住んだら幽霊を入居直後の晩に見て、怖いって思って3日目くらいで出て行っちゃった、と。その後2人目が引っ越してきて、「この人はもう2人目だから、事故があったことを言わなくていいんだな」と、勝手に不動産屋さん側が思い込んで言わなかったというようなことがバレたら……2人目だから言わなくていいっていうのは、絶対に通用しないですね。

島田:じゃあ、1人目の人がある程度の期間住んでいたらいいってこと?

てる:1人目の人が2年とか住んだから、入居2人目の人には言わなくてもいいという判断が示されたという、そういう裁判例が実際に東京のケースではあるんです。結局、裁判っていうのは、具体的に1個1個判断していくわけで、この1件に関しては「そうです」って言うにすぎないわけです。それが北海道から沖縄まで、都市だろうと農村部だろうと、全部同じルールなんだなんてことはひと言も言われていないですし、1日だろうと10年だろうと、「2人目に変われば(告知しなくても)いい、なんて言うことも言ってないわけで。あまりに拡大解釈しすぎっていうところがありますね。

しかも、そもそもどうしてそういう判決が言い渡されたかっていうと、結局、大家さん・不動産屋さん側が自殺した入居者の遺族を連帯保証人として訴えた、と。「お宅の息子がうちのアパートを傷物にしちゃった。今後我々は全部の部屋の家賃をずっと下げなきゃいけなくなる。こんなに損をしてるんだから、全部賠償してくれ」って。そういうロジックなんですよ。

島田:遺族の方に損害賠償を……。

てる:はい。つまり、そのときの不動産屋さん側の発想っていうのは、永久に告知し続ける。永久にすべての家賃を安くし続ける。事件・事故物件の隣の部屋や別のフロアの部屋も含めて、全部告知をして安くするとものすごく損をする。それを全部賠償しろっていう話だったんですけど……結局、遺族側、つまり連帯保証人なんですけど、その人たちの負担があまりにも大きすぎるから、裁判官は「(事件・事故が起きた)1部屋だけでいい」と。

しかも、告知する期間もずっとじゃなくて「2年とかでいい」っていう、負担を減らそうという判断だったんです。

島田なるほどね。そういうのがどんどん広まっていって、ワンクッション挟んだら言わなくてもいいよとか、そういうふうに繋がっていく流れがあったんですね。

てる:そうなんですよ。流れとしては逆の話になっちゃって。しかも、その不動産屋は後日私に苦情を言ってきまして……。「お前のサイト(事故物件サイト「大島てる」)から消せ」みたいな。「もう何年も経っているんだから」って。私からすればびっくりなわけですよ。裁判のなかで、「自分たちはずっと告知していくんだからこんなに損する。だから、いくら払え」っていうことを遺族に請求していたのに、やっぱりずっと告知するつもりはなかったってことですよ。

安い家賃でずっと住まれてしまうと、大家さんは儲からないということで、強制的に2年あるいは1年とかで引っ越してほしいわけですよ。それで次に住む人に、正規の高い家賃で住んでもらいたいというテクニックがある、と。

島田事故物件ってなると、「いくら幽霊が出てもいいですよ、安かったら住みたい」っていう人もけっこういるんだよね。

てる:そうですね。ただ、それはあくまでも安いからラッキーというだけで、本当に事故物件が人気だったら、安くする必要がない。むしろ事故物件のほうが高くなっても不思議じゃないわけですから。あくまでも、今の日本の状況は、「事故物件気持ち悪い」っていう心理的なデメリットと「安い」っていう経済的なメリットがあって……。

島田:安くなくてもいいから入居したいっていうのは、日本では松原タニシさんしかいないですからね(笑)。ただ、何年か前に、千葉県でけっこう有名な会社の取り扱っているアパートの一室の謳い文句がすごかったよね。「バス・トイレ・幽霊付き」って書いてあって。「1人暮らしで寂しい人も安心! 1人じゃない感覚が味わえるかも」って打ち出したところ、応募が殺到したらしいですもんね。

てる:ネット上でバズって、いろんな人の目に触れたことで、あの物件も安くはなっていましたから、申し込みがたくさん来たっていう。ただそれだけのことで、特にひっそりと目立たずに、安いっていう事故物件は同じようにいっぱいあります。

島田:そういうところをみんなはちゃんと知る権利があるんだから、そこをちゃんと知ってもらおうってことで(事故物件サイトを)やってるわけでしょ。

てる:そうですね。私はそういう活動です。今年で16年になります。今でももちろん手分けをしてですけど、私自身もいくつか事件・事故物件に行っていますし、海外にいる協力者のみなさんが情報提供もしてくれています。

*   *   *

来週の「TOKYO SPEAKEASY」のお客様は……
3月29日(月)宅麻伸さん×弘兼憲史さん(漫画家
3月30日(火)関根勤さん×イワイガワ(岩井ジョニ男さん、井川修司さん)
3月31日(水)チュートリアル徳井義実さん×ヒコロヒーさん
4月1日(木)高橋由美子さん×田村孝裕さん(劇作家、演出家)
がご来店。一体どんな話が飛び出すのか……!? お楽しみに!

<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00~26:00
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/speakeasy/

事故物件サイト管理人・大島てる、不動産業界に広まる“都市伝説”を解説

(出典 news.nicovideo.jp)

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Source: 芸能野次馬ヤロウ

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