― プレゼン直前、私を完全否定してくる後輩に『救われたワケ』 ―
職場に、何でもストレートに言う後輩がいる。
悪気はないのだろうけど、人の心にズバッと刺すような物言いが多くて、正直ずっと苦手だった。
ある日、重要なプレゼンを担当することになった私は、徹夜続きで資料を詰め込み、何とか形にした状態でリハーサルに臨んだ。
すると、例の後輩が開口一番、こう言い放った。
「先輩、このプレゼン **絶対に通りませんよ。
理由わかります?」
心が折れそうになる。
やっぱり苦手だ。空気くらい読んでくれよ。
そう思った瞬間だった。
後輩は続けて、淡々と言った。
「先輩、資料作りすぎです。
本当に伝えたいポイントが埋もれています。
もったいないですよ。」
その言葉に、ハッとした。
私が徹夜して書き足した部分は、不安の裏返しで、
“本当に伝えるべき核心”とは何の関係もなかったのだ。
後輩はさらに、私の資料を一つひとつチェックしながらこう言った。
「先輩の企画、めっちゃ面白いです。
だからこそ、要点だけで十分なんです。」
「……否定じゃないの?」と思わず聞くと、
「違いますよ。
“通すための修正点”を言ってるだけです。」
その言葉に、胸の奥で何かがスッとほどけた。
自分の能力や努力を否定されたと思っていたけれど、
あの後輩は“結果を出すために必要なこと”を真正面から言ってくれていただけだった。
その後、指摘された部分を削り、伝えたいポイントだけに全力を注いだプレゼンは無事に採択。
上司からも「今回の資料はすごく見やすかった」と高評価をもらえた。
帰り際、例の後輩がぼそっと言った。
「先輩、今日のプレゼン、ほんと良かったですよ。」
あの瞬間、私は気づいた。
“ズバズバ言う”のではなく、
“遠回しにしないで本気で向き合ってくれる”だけなんだと。
今では、彼の率直さがチームにとって一番の武器になっている。
Source: 芸能人ニュース速報