【論点整理】“朝7時通勤”発言で炎上 —— でびでび・でびる騒動が投げかけるもの

■ 出発点 ― 何が起きたのか

2025年11月27日、でびでび・でびるは自身のX（旧Twitter）で「まだ朝7時に通勤してるんですか？」と投稿。さらに、「7時〜8時に通勤電車に乗るのってめちゃくちゃ“勿体ない”」「今は朝10時が常識」「人生の“必要な時間”を取り戻すなら朝10時を試してみて」――といった主張を複数ツイートした。 (ユーチュラ)
彼の発言は、社会人の「朝7〜8時通勤＝当たり前」「満員電車」「早起き・重労働」という現実を、“勿体ない生き方”“時代遅れ”と揶揄する内容だった。 (ライブドアニュース)

この投稿をきっかけに、SNSでは大きな炎上 — 多くの人たちが反発し、“働き方”“通勤の切実さ”をめぐる議論が巻き起こることになる。 (J-CAST ニュース)

でびでび・でびるの投稿には、以下のような問題点・論点があったと受け止められている：

通勤者・労働者への軽視
多くの人にとって「朝7〜8時通勤」は会社や職種、生活リズムによって決められたことであり、本人たちの努力や生活の都合を無視したような表現と捉えられた。
言葉の余裕とリアルの差
VTuberという「配信で自由に働く／時間を選べる」立場からの発言であり、通勤・残業・会社都合など“現実の制約”を抱える人々の苦労が見えにくかった。
煽り・あざけりのように聞こえるトーン
「勿体ない」「常識」など断定的かつ挑発的な言い回しが、“上から目線”や“偏見”と受け取られやすかった。

こうした理由から、多くの社会人や通勤者、働き手たちが反発し、「軽視するな」「もっと配慮を」といった批判が相次いだ。

炎上後、でびでび・でびるは11月29日の配信で「煽る意図はなかった」「伝え方がまずかった」と釈明。さらに 12月2日にはX上で改めて謝罪文を投稿し、「傷つけるような表現をしたなら申し訳ない」と述べた。 (よろず〜ニュース)

ただし、謝罪後も批判が収まらず、「本当に反省しているのか」「言動の重さを理解したのか」といった疑問は残ったままだ。

この騒動は、単なる「炎上事件」ではなく、現代社会の構造的なテーマを浮かび上がらせたと思う：

働き方・生活の多様性と制約
朝型・夜型／フレックス勤務／テレワークなど、働き方は多様化しているけど、その裏には家族、会社、通勤、収入――さまざまの制約がある。単なる「時間のズレ」では済まされない現実がある。
発信者の立場（リアル vs. 仮想）のズレ
配信者やフリーランス、クリエイターは “時間のコントロール”“自由”を比較的持ちやすい。一方で、多くの会社員は勤務形態に縛られ、選択肢に限界がある。立場の違いが、発言の受け取り方に大きな差を生む。
SNSでの言葉の影響力
ネットでは、発言が瞬時に拡散し、多様な層・立場の人に届く。ジョークでも煽りでも、“軽い気持ち”が大きな波紋を呼ぶ可能性がある。発信者には言葉の重さと責任が改めて求められる。