【芸能】福田萌が“妊娠30週”での飛行機搭乗でトラブルに。新生児にも悪影響の恐れが…なぜ危ないのか

福田 (ふくだ もえ、1985年(昭和60年)6月5日 – )は、日本のタレント。結婚前の本名は芸名と同じ。 夫はオリエンタルラジオの中田敦彦。 岩手県出身。ジャパン・ミュージックエンターテインメント(エキサイティング・トリガー)所属。 岩手県岩手郡滝沢村(現・滝沢市)生まれ。盛岡中央高等学校、2…
24キロバイト (2,742 語) – 2024年2月22日 (木) 01:37
福田萌さんにとっては楽しい旅行のはずが、赤ちゃんに悪影響が及ぶ恐れがあることを知ると、とても気の毒ですね。妊娠中の飛行機搭乗は十分な注意が必要です。

 タレントの福田萌が自身のインスタグラムで妊娠30週での飛行機搭乗の際、チェックインで「診断書を見せないと搭乗できない」と言われ、トラブル寸前であったことを書き込んだ。実際は、交渉の末に搭乗できたと言っているのだが、これがネットニュースになると大きな騒動になっている。

 そもそも福田萌は38歳のタレントで、オリエンタルラジオの中田敦彦と結婚し、現在シンガポールに在住している。第三子出産準備のために、帰国しようとしてシンガポール空港でのチェックインの際に止められたという。飛行機搭乗は、本当に妊婦によくないのだろうか。搭乗が妊婦に与える影響を考察してみた。

◆酸素不足が新生児に悪影響を

 機内の気圧は地上とは違う。1万メートル以上もの高空を飛ぶジェット旅客機は、気圧を地上と近づけるように保つため、“与圧”をしており、機種によっても違うのだが、機内気圧は約0.8気圧程度で、標高約2000メートルと同じ環境に保たれている。

 この環境の機内で長時間座位であることで、エコノミークラス症候群と呼ばれる血栓が発生するリスクが高まる。これは妊娠後期にも起こりやすい問題であり、飛行中の血栓が肺塞栓症などの深刻な合併症を引き起こす可能性がある。

 また、酸素濃度は地上よりも低い。気圧の低下に伴い空気中の酸素の圧力も地上の約80%となることから、妊娠後期の妊婦や新生児にも酸素不足が悪影響をおよぼす可能性がある

◆緊急の場合は臨時着陸にも

 機内温度は、22~26℃に調整されている。温度は調節が効くのだが、人によっては調節された温度でも寒く感じることがあり、冷えは母子ともにいい影響を与えることはない。

 湿度については客室に取り入れる外気の湿度が極めて低く、地上での快適な湿度が40~60%と言われている中、長時間飛行の場合20%以下まで低下する。機内の乾燥で、体内の水分が足りなくなり、目の乾き、のどや鼻の痛みを感じることがある。また、妊娠中のホルモンバランスが変化し、皮膚の水分保持能力が低下することも考えられる

 最大の課題としては、飛行中に妊婦が健康上の問題を抱えた場合、空の上ではすぐには医療施設へアクセスができないこと。機内には緊急時の医療キットも装備されてはいるが、出産に対応できるところまで用意されていないのが通例だ。そのため、緊急の場合はすぐに着陸できる目的地に臨時着陸などという事態にもなりうる

◆日系エアラインの規定は?

 日系エアラインANA、JALの妊婦搭乗に対する規定はほぼ同じだ。「出産予定日を含め28日以内に搭乗予定の妊婦には医師の診断書が必要」とのことになる。加えて「出産予定日を含め14日以内に搭乗予定の妊婦には医師の同行が必要」となる。

 出産予定日までの経過を週数で数えることが一般的ではあるが、基準日の規定が国によって違うことがあるために、出産予定日を基準にして〇日前の旅行としたほうがわかり易いことから、エアラインのホームページの説明は日数表記になっている。

 また、機内での座席指定に制限はないが、非常口座席のみは非常時に客室乗務員の援助ができることが条件となることから妊婦は指定できない。

 加えてJALは、飛行中の注意として、「※座席はトイレに立ちやすいように通路側をお勧めします」「※長時間の飛行のときは足の体操をしましょう」「※シートベルトは直接ベルトが子宮を圧迫しないように毛布の上から締めてください」と3つのアドバイスをしている。エアラインの規定からも、妊婦の飛行に適しているのは、「安定期である妊娠12週から28週頃まで」ということになる

◆「飛行に適した時期は12~26週」と記載も

 世界に目を向けると、妊婦は搭乗旅客だけの話ではないことがわかる。国際民間航空機関(ICAO)が妊婦パイロットに対して定めた規定があるので紹介したい。「低リスクで合併症のない妊娠の場合、飛行に適した時期は12~26週と考えられる」と書かれている。搭乗旅客よりも2週早い規定だけで、妊婦のパイロットも業務として搭乗が可能なのだ。

 搭乗客の機内出産についてのデータが発表されている。2019年のオックスフォード大学の研究では、次のように報告された。「1929年から2018年の間に73便の民間航空便で 74人の乳児が生まれた。乳児のうち71人は出産まで生き残ったが、2人は出産直後に死亡し、1人の安否は不明である。フライトの77%が国際線で、全フライトの26%が機内での緊急出産のため目的地変更となった」とのことである。

 これによると、世界での機内出産の発生回数は1年に1回未満であるという統計となった。

◆妊娠中に搭乗するなら選ぶべき機体は?

 日本発着のフライトで2023年以降の事例を報道から調べてみた。2023年1月には成田空港からドバイに向かったエミレーツ航空の機内で出産があった。また、2024年2月羽田から台北松山空港に向かったエバー航空機内でも事例があった。これら2例は両社のSNSで拡散された可能性はあるが、エアラインのホームページ上のニュースになった形跡はない。

 過去には、海外においてフライト中の出産で該当の母親と赤ん坊に一生涯無償になる航空券が贈られた事例もあった。2009年にエアアジア機のペナン発クチン行の便のフライト中に出産した母子にエアアジアが贈呈した。これなどは例外中の例外で、エアラインにとっては無事な出産は慶事であるとはいえ、緊急性が高い場合は目的地変更などの可能性もあり、死産の例もある。航空券獲得を狙って出産間際に搭乗する事例が出ないとも限らず、最近では聞くことはない。

 一度飛び上がると、目的地に着くまで基本的に降りることが出来ない飛行機での妊婦のフライトは避けるに越したことはない。もし、どうしても必要があれば、安定期と言われる妊娠28週までに旅行を計画することだ。

 そして、機体に強度の高い炭素繊維を多用したエアバスA350やボーイング787を選ぶという手もある。与圧が高く設定できることから、より地上に近い機内環境であり、湿度も高く保てるとの評価がある。健常者であっても長時間のフライトは、疲労が蓄積される上にエコノミークラス症候群の可能性がある。大事な母体とお腹の子のために、できる限り安定期以外の妊婦の飛行機旅行は避けることが望ましいと思う。

<TEXT/北島幸司>

【北島幸司】
航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram@kitajimaavianwing

※福田萌公式インスタグラムより

(出典 news.nicovideo.jp)

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Source: 芸能野次馬ヤロウ

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