【芸能】「若い女のタレントごときが…」霊感アイドルと馬鹿にされ怪談話を10年封印していた松嶋初音が“ある芸人”に背中を押されて再び実体験を語りはじめたワケ

松嶋初音さんの勇気には感服します。霊感アイドルという特異な経験を持っているだけでも十分驚きですが、それを10年も封印していたなんてすごいですね。興味津々で彼女の実体験を聞いてみたいです。

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 一昨年までの10年間、怪談は“封印”していたんです。そもそも私、怪談師とは名乗っていないんですよ。自分の実体験、「想い出」を語っているだけなんで。

 イタコだった祖母も、母も、霊感が強くて。私も2歳頃から“そういうもの”が見えるようになりました。保育園児の時に友人の家に泊りに行ったら、その子のおじいちゃんの胸がすごく赤かったんです。「どうして?」と訊いたら、末期の肺がんで自宅で最後の時を過ごされていた。「どこで聞いたの」と気味悪がられて、そうか、みんなは見えていないんだと自覚しました。

 10年ほど前に実体験を語った時は霊感アイドルとして扱われて「嘘だ」と問答無用で否定されたり「若い女のタレントごときが怪談師になるな」と心無い言葉を浴びせられたりしました。想い出をまがいものと決めつけられるって、めちゃくちゃしんどいんですよ。もう、話すのが怖くなってしまって。

「もう一回、語ってみない?」ある芸人に背中を押され…

 “10年の封印”を解いたのは、聞き手のリテラシーが変わったからです。怪談エンタメを配信している島田秀平さんに「もう一回、語ってみない?」と声をかけていただいて。及び腰だったんですけど「この10年で客は変わったから」と言われておそるおそる……。語ってみたら本当にその通りで、嘘か本当かよりも、話の面白さを純粋に求めてもらえて。こんなにポジティブなリアクションが集まるんだ!と衝撃を受けました。

 やっぱり怪談って、語り手と聴き手が一緒になって作り上げるものですからね。疑われるのも辛いですけど、わざと大げさな反応をされるのも「いやいやいや」って。自分の体験談ゆえに、まがい物を混ぜたくないんです。でも聴き手が1回でも「やらせ」をしちゃうと、全部が嘘になっちゃう。エンタメとしてやるなら、全員が真剣に向き合って楽しんで、その楽しさを分け合って持ち帰ることが大事だと思っています。

 私の場合、実体験なのでネタはそうそう増えないんですよ。「初出し」を求める声も強いですけど、稲川淳二さんの『生き人形』のように幾度も語られて磨かれた怪談って、何回聴いてもぞくぞくするじゃないですか。鉄板の恐怖を味わってもらいたくて始めたのが、主催イベントの『TEPPAN HORROR NIGHT!!!』です。私の好きな怪談師さんに、十八番の怪談を思う存分語り尽くしてもらうという夢の企画(笑)。聴くと危険な出来事が起きる怪談でも、たくさんの人に繰り返し語って「全員で握る」ことで、その“障り”を薄められるという憑き物落としの意味もあるんです。

「どうやって死んだらいいですか」自殺願望者に伝えたいこと

 私、霊感って「ある/なし」のくっきりした境界線ではなくて、「強い/弱い」のグラデーションだと思っていて。見えない人はこの世にいないんですよ。「いい人なんだけど、私とは気が合わなくて」って日常的に言いますよね? あの感覚の延長線上に、お化けを感じ取れるかどうかもあるんじゃないかな。

 配信のリスナーさんからも「聴いていたら急に涙がワッとあふれてきた」「話の中に出てきた景色が見えた。あそこの角を曲がると、こんな目印がありますよね?」とコメントをもらったことがあるんです。あくまで聴き手として「死後の世界ってどんなだろう」と知的好奇心を満たすぶんにはいいけど、引きずり込まれちゃうと危ない。“障り”が起きないように、心霊現象に遭った場所の名前などは伏せるようにしています。そのスポットが、誰かにとっては「大切な想い出の場所」かもしれないという配慮も忘れたくないですし。

 前にSNSで「酷いいじめにあっていて『なんで私の人生があいつらに潰されなきゃいけないんだ』という思いが日増しに募っています。呪い殺すためには、どうやって死んだらいいですか」とメッセージをもらったんです。でも私の見てきた景色からすると、それって、できないんですよ。死んだら終わり。蚊と一緒で汗の匂いがするから血を吸いに行く、みたいな……そこに意思はなくて、死んだときの思いに囚われて、ただ同じことを虚無のまま繰り返している。

 死で恨みを晴らせることはありません。それはマジで違う。転校するなり、行政に助けを求めるなり、泥臭いけど「生きて!!」って言いたい。生きている人間が結局いちばん怖いけど、私たちだって生きていなきゃ新しい世界を見られない。「向こうの世界を見てきた側」だからこそ、そう伝えていきたいですね。

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TEPPAN HORROR NIGHT!!! Vol.05』(配信チケット販売中)

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お岩さまにあこがれて…古典ネタに取り憑かれた怪談師・牛抱せん夏が語る子どもからお年寄りまで楽しめる“伝統芸能”としての怪談の魅力とは〉へ続く

(「週刊文春」編集部 2023年7月20日号)

松嶋初音(撮影 MURAKEN)

(出典 news.nicovideo.jp)

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Source: 芸能野次馬ヤロウ

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