「このゴミはどう捨てればいいのだろう」「楽にゴミを捨てる方法はないかな……」。そんな悩みを抱えている人も多いだろう。ゴミ清掃員として働くあの芸人にコツを聞いた。
「割れたガラスや竹串がゴミ袋に無造作に入っていて清掃員が流血してしまうこともあります。同時に、尖ったものを正しく処理せずにゴミ袋に入れたことで、袋が破けてゴミが散乱してしまったという経験がある人も多いかと思います。正しく処理すると、清掃員の安全を守るとともに、自分の手間を減らすこともできるのです」
そう話すのは芸人にして、現役ゴミ清掃員として環境問題に取り組むマシンガンズの滝沢秀一さん(46)だ。相方の西堀亮さんと、がなり声で気になることに突っ込みまくるという独特のスタイルの漫才で人気を博し、『エンタの神様』(日本テレビ系)などにも出演した滝沢さんが“ゴミの世界”に入ったのは36歳のとき。妻の妊娠がきっかけだった。
「芸人では稼げない時期で、アルバイト探しに奔走しましたが、年齢がネックになりました。清掃員になったのは知り合いのつてで、これしかなかったからです」
消極的なスタートではあったが、続けていくうちに、ゴミの世界のおもしろさに取りつかれた。
「出ているゴミが地域によって違うぞとか、いろいろ気づくんですよね。そのうち、ゴミは生活の縮図なんだとわかったんです」
同時に、まだ使えるものをゴミに出していたり、誤った捨て方をしていたりする人が多いことにも気づいた。そこで、家庭ゴミを減らす方法やゴミの正しい捨て方を発信していくと大反響が。
環境省から「サステナビリティ広報大使」にも任命された滝沢さんに、環境にも優しく、家事を楽にするゴミ捨ての方法を聞いた。
「まずは自治体ごとにゴミの捨て方のルールが違うので、正しく把握することです。迷ったら各自治体の清掃事務所などに問い合わせてください」
ルールを知らずに無駄な苦労をしている人も。
「雑誌やチラシのホチキスは取らずに資源として出しても大丈夫。段ボールの大きなホチキスを、指をけがしてまで取る人がいますが、処理場のほうで専用の機器で取るのでそのままで結構です」
袋にゴミをパンパンに詰め込みすぎている人も多い。
「口がうまく結べず、収積場に持っていったときには破けて中が飛び出していることも。不衛生ですし、個人情報の流出のリスクもあります。ゆとりある密度でゴミを詰めて、二重の大きな結び目をつくりましょう」
何かとゴミ捨ての機会が多くなる年末。具体的なゴミの捨て方を聞いてみよう。
■大掃除前に知りたいゴミの捨て方7
【1】レジ袋に小分けにしたゴミをまとめて捨てたい
自宅に複数の小さなゴミ箱を置いている人は、スーパーなどのレジ袋に入れてゴミを出す機会があるかもしれない。「ゴミ袋が多い場合は袋の持ち手同士を結ぶと運ぶのが楽になります。じつは小さな袋は清掃員泣かせ。1袋1袋かがんで拾わなければならないので腰痛が悪化する人も多いです。こうやってつなげてもらえると助かります」。自治体によってはレジ袋でのゴミ出しが禁じられている場合があるので確認しよう
ネット通販の普及などもあって、さまざまなサイズの段ボールがゴミになるように。「大きな段ボールの内側に、小さなものを挟み込むようにしていくときれいにまとまり、出すのが楽になります」
【3】竹串を捨てたい
ゴミ袋に穴をあける竹串は悩みの種。「油の入っていたペットボトルは資源に出せず、多くの自治体では可燃ごみ扱いになっています。私は竹串入れに使って、たまったところで捨てています」。また、豆乳や酒類などに使われている内側がアルミ加工された紙パックは通常の紙の資源として回収していないので(一部拠点で回収)、リサイクルに出すあてがなければ活用してもいい
【4】個人情報の書かれている書類などを捨てたい
「ゴミは意外と、盗まれたり、開けられたりするリスクがあります。ですから、封筒などについている宛名シールなどもはがすのがベスト。個人情報が書かれたものはバラバラにちぎる。さらに、生ゴミなどをまとめた袋に混ぜて捨てるといいでしょう。生ゴミを開ける人はそういません」
禁煙や電子たばこへの切り替えで、使い捨てライターのゴミが大量に出ることが。「着火スイッチをテープでとめて、ガスを出し切ってから捨てましょう。ガス抜きをしていないライターやスプレー缶は清掃員を危険にさらし、清掃車火災の原因にもなります。しっかりとした処理をお願いします」。使い切ったライターが不燃ゴミか可燃ゴミかは自治体によって違うので確認してから捨てよう。スプレー缶なども使い切ってから捨てるのが鉄則。ただし、過去に大量のカセットガス缶のガス抜き中に大爆発した事故も起きているので、大量にある場合は地元の自治体の清掃事務所に相談しよう
【6】かさばるピザの箱を捨てたい
クリスマスや年末年始の集まりで宅配ピザを頼む家庭も多いだろう。「ピザの箱はかさばりますし、そのままゴミ袋に入れると角で袋が破けたりすることが。そこでひと工夫。水に浸すと、潰してボール状にできます。それをベランダで放置して、乾いたら可燃ごみに入れるとスペースを取らず快適です。油が付着しているので資源にはなりません」
【7】可燃と不燃のものが混じっているゴミを捨てたい
ほかにも金属のボタンがついている服や、ワイヤ入りのブラジャーなど、金属やプラスチックなどの不燃と可燃のものが混じっているものの捨て方は迷うことが多い。「分解をしなくても大丈夫です。9割が燃えるものであれば、可燃ごみで出せるというルールがあります。多少の不燃物はOK。盗難を防ぐため、ブラは刻んで捨てましょう」
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Source: 芸能野次馬ヤロウ