『カムカム』で圧巻の歌声! 世良公則以外に適任者がいなかったと思わせる喫茶店マスター

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1: なまえないよぉ~ 2021/12/10(金) 21:20:22.75 _USER9

 『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)圧巻の第6週が終わった。第29話の英語での長台詞、第30話でのドキュメンタリーかと思ってしまうほどの自然な涙と、週を重ねる度に、ヒロイン・安子を演じる上白石萌音に驚かされてばかりいる。

 上白石の毎週の名演に続き、第6週では初登場となるロバート役の村雨辰剛、雪衣役の岡田結実も適材適所と言える演技を披露。そして、再登場組として、第6週の安子と並ぶもうひとりの主役と言っていい存在感を放ったのが、喫茶店「Dippermouth Blues」の店主・定一だ。

 定一を演じるのは、ミュージシャンの世良公則。俳優としても数々の名作に出演しており、映画『Wの悲劇』では、ヒロイン・静香(薬師丸ひろ子)に恋する青年・森口昭夫を好演。若かりし頃の世良は、若者が放つ青さと情けなさ、そして愛する人をまっすぐに思う格好良さを見事に体現していた。薬師丸ひろ子がスターダムを駆け上がった作品であり、神がかった演技を披露している本作において、相手役となった世良の好演も日本映画史に刻まれているだろう。

 近年は『下町ロケット』(TBS系)での“悪役”心臓外科医の貴船教授も記憶に新しい。NHK連続テレビ小説には『チョッちゃん』、『梅ちゃん先生』に続き3作目の出演となる。映画・ドラマと俳優としても長いキャリアを誇る世良だが、意外にも「ミュージシャン・音楽好き」という役柄は本作が初めてだと言う。

「どうしてもプロのミュージシャンである世良公則の部分が出てしまい、それが芝居をする上では邪魔となるのでずっとお断りをしてきたんです。ですが『カムカムエヴリバディ』は戦争という時代のなかで、英語や西洋の音楽など時代的には相容れないものを題材にしていると聞き、とても興味をもちました」(引用:世良公則、『カムカム』だから引き受けた音楽家の役 「10代のころを追体験しているよう」)

 結果として、定一は世良でなければ成立しなかったと言っていいほどのはまり役となっている。第28話では、「何の因果じゃろうのう。稔(松村北斗)を殺した、健一(前野朋哉)を殺したかもしれん国の音楽をわしゃあ今日もかけとる」と葛藤する定一の言葉があった。戦争で戦った相手であるアメリカへの憎しみと、アメリカが培ってきた文化への尊敬と憧れ。戦後、多くの人が抱いていたであろう相反する感情を、「Dippermouth Blues」と英題の喫茶店名を付け、戦前からジャズを愛好していた定一は誰よりも強く持っていたのは間違いない。第30話では、そんな定一の苦悩を世良は歌声として見事に昇華していた。

 稔の、そして安子のもっとも大事な曲である「On the Sunny Side of the Street」。定一として歌う世良の歌声は、哀愁を帯びながらも、安子を、視聴者の背中を押してくれるような力強さに満ちていた。

 安子と稔の“初デート”、2人への結婚祝いの珈琲など、家族以外の人間では、誰よりも安子を見守ってきた人物でもある定一。朝ドラには必ずと言っていいほど喫茶店が登場する。いずれの作品でも、主人公たちの欠かせない場所となっているだけに、「Dippermouth Blues」も、定一の思いも、次なるヒロインたちにも受け継がれていくかもしれない。

石井達也
https://news.yahoo.co.jp/articles/2558ab23ba3c9feb481e0c202a7c5b13cb21c4c8
『カムカムエヴリバディ』写真提供=NHK
https://i.imgur.com/539sTye.jpg

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Source: 芸能トピ++

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