コロナ禍という社会情勢を差し引いても、人気タレントの傾向は「低体温化」が進んでいる。お笑い界が顕著だが、いわゆる「じゃない方」にスポットライトが当たることが増えた。「陽キャ」の印象が強い雨上がり決死隊の宮迫さんやアンジャッシュの渡部さんらが、相次いで問題を起こしたことも拍車をかけた。
たとえばオードリーなら、春日さんでなく若林さん。ハライチなら、澤部さんでなく岩井さん。見た目や芸風がポップな相方に比べて、ちょっと斜に構えたような雰囲気だ。彼らはネタを書いている方でもあるが、クールでドライな切れ者というイメージではないだろうか。二人ともエッセイを発売し、どちらかといえば文科系の匂いがする。実は若林さんも岩井さんも運動部出身だし、冷笑的な人間と思われることに葛藤があるそうだ。だからといってアクティブな印象を売りにしているわけではないのは確かだ。コメンテーターという切り口で見ても、「ノンストップ!」のカンニング竹山さんが怒るより、「めざまし8」のカズレーザーさんが淡々と切り捨てる発言の方が話題になる。
お笑い界に限らず、いま人気のメンツはみな低体温っぽい。音楽界なら星野源さん、俳優界なら中村倫也さん。集団で一気飲みするようなタイプではなく、ひとりで晩酌するのが好きです、と言いそうな感じ。ギャル界でさえ、冷めた目線のみちょぱさん1強だ。こうした流れの中で、いちばん割を食ったのはおバカキャラたちなのではないだろうか。
元気で押し切るおバカキャラたちの凋落 滝沢カレンやフワちゃんに見る変化
鈴木さんやヘキサゴンファミリーといった、おバカタレントのブームは下火になった。木下優樹菜さんのように問題を起こした人は別としても、misonoさんや上地雄輔さん、スザンヌさんらに当時の勢いはない。里田まいさんは田中将大選手の良妻として名を上げたが、山田親太朗さんは芸能界引退を選んだ。
大声で見当外れのことを叫び、熱量の高いリアクションで笑いを誘う。おバカキャラの人気の源泉は、怖いもの知らずさと紙一重の「元気さ」だった。でもその元気さ一辺倒の戦い方から抜け出せない人ほど、苦労している。
ローラさんはおバカ枠出身ながら、最も成功した一人だ。それは料理上手な一面や、環境問題に敏感という「地に足のついた」顔も発信し続けていたからだろう。今や海外で憧れのライフスタイルを送る、オピニオンリーダーのような存在だ。また、結婚を機にママタレにシフトした例も多い。木下さんや辻希美さんが当てはまるだろう。
一方、鈴木さんはハイテンションキャラ一本でやり抜こうとしていた。彼女だって工場勤務の一般人の彼と結婚し、庶民的な良妻キャラに路線変更することもできたかもしれない。けれども結婚後も体を張って、芸人顔負けのリアクションをとり続けていた。バカというか、バカまじめな人だなあと思う。わ
ディリー新潮 10/22(金) 11:02
https://news.yahoo.co.jp/articles/cc739e5b04421ea90a750ceae5118e1f50a01723
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Source: 芸能トピ++