乃木坂46『君に叱られた』 – YouTube
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乃木坂46の28枚目のシングル 『君に叱られた』が、9月22日に発売された。ミュージックビデオでは、ベテランメンバーと新世代メンバーの対比が印象的。なぜ乃木坂はうまく世代交代できたのだろうか。
■新センター・賀喜遥香
乃木坂46の新曲『君に叱られた』は、各チャートで50万枚を突破し、初週1位を記録。コロナ禍に突入して以来、握手会特典がオンライントーク特典に変わりがちなアイドルグループは、苦戦を強いられているものの、それでも高い人気を維持し続けている。
本作品は、4期メンバーの賀喜遥香が初センター。MVも、ベテランメンバーと新世代メンバーが対比的で印象的だ。齋藤飛鳥が新センター賀喜をたたえ、卒業する高山一実が、乃木坂の後輩に後を託す。
■鬼門の世代交代
女性アイドルグループにとって世代交代は鬼門。長く人気が続くと思われたモーニング娘。でさえ、エース後藤真希の早々の卒業は、モー娘。の衰退を早めただろう。
AKB48も、初期メンバーから指原莉乃への世代交代を頑張ったが、そもそも前田敦子らの卒業はそれでも早かったと言え、指原より後の世代交代に成功したとは言い難い。
その点、乃木坂は、新メンバー加入とベテランメンバーの卒業をできる限り抑えた理想的なアイドルグループ運営を実現させたといえるだろう。
■丁寧な育成と拡大主義
初期メンバーが早く卒業することは、同時に新規メンバーが早く参入することであり、卒業・加入のサイクルを早めるということ。そもそも女性アイドルグループは卒業システムが自明でもない。
本来的には、卒業も加入もないのがファンからすれば理想だろう。丁寧にアイドルを育てたいというオタク的な視点と、拡大主義こそ正義というビジネス的視点の相克は、指原の=LOVE(イコラブ)や≠ME(ノットイコールミー)のアイドルプロデュースによくみてとれる。
■さまざまな世代を育てる苗床
乃木坂は、1期生のエースだった白石麻衣らが長く乃木坂に残っていたことで、若手世代の成長をゆっくり待つことができた。同じ1期生の齋藤飛鳥や3期生の与田祐希・山下美月が現在のエース。
また、今でも1期生のスターである生田絵梨花がおり、さらには、1期生の樋口日奈や3期生の久保史緒里が今なお成長するなど、さまざまな世代を育てる苗床を、乃木坂は成立させることに成功している。丁寧な育成と拡大主義の両立。その上で乃木坂は、4期生の育成を加速させた。
■新メンバーだけの冠番組
いよいよ本格的に取り掛かった世代交代の難問には、乃木坂は、非常に大胆な施策に出る。なんと、新規メンバーである4期生だけの深夜番組をつくったのだ。
さらば青春の光をMCに迎え、『乃木坂どこへ』(日本テレビ系)を放送した。さらなる『ノギザカスキッツ』(日本テレビ系)では、コント番組にチャレンジ。
そのおかげで、バラエティ対応力の向上も早く、遠藤さくらに続き、4期から賀喜がセンターに抜擢された。4期だけの第1回ノギスキキャラデミー賞でも、賀喜の『やんちゃじゃないかっきー』というキャラが1位。
■理想の成長を遂げた乃木坂
乃木坂は、限りなく理想に近い女性アイドルグループの成長を遂げたと言えるだろう。ベテランも新世代メンバーも丁寧に育てることに、限りなく成功。
現在は妹グループの日向坂46が、冠番組『日向坂で会いましょう』(テレビ東京系)のMCオードリーとの連携もあって、芸能界を席巻中。とはいえ、日向坂がどこまで乃木坂に近づけ、また越えていけるかは、じつは難しいだろう。
いずれにしても、長く続いた女性アイドルグループブームが、秋元康氏もいまやドラマ界に繰り出していく中、どこまで維持できるか、注目だ。
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Source: 芸能野次馬ヤロウ